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日溜まりを求めて。

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今年生まれた仔猫達が日溜まりを求めて集まる、姉妹猫である。
全員集合すれば5匹になる姉妹と思うのは猫は雌猫は集うと聞いたからに過ぎない、雄は一人?早く旅に出ると聞く。71年前の私は餓死寸前の状況で日溜まりを求めて二人の妹と、父と姉の帰りを待つ毎日であった。
大連の冬は毎日が氷点下の世界である。
身辺には暖を取るものは何も存在しない世界である。

不思議な事に電気だけは送電されていたが手許に在るのは小さな電熱器が一つである。
父と姉が手に入れて持ち帰る僅かな穀物を待ち鍋で湯を沸かすように言われながら水を汲みに立ち上がる体力さえ残っていなかった。

恐らく命を保てるのは1~2月に違いない状況であった。

その時、夢現の中で夢を見ていた、何故か俵藤太と大百足が出てきて話し掛けた「正月には日本に帰れる頑張れ」と囁いた。現実に真冬なのに畳の間から出た百足に指を噛まれて目覚めた。
然し昭和22年の正月も無為に過ぎて行く。

一月も終わりに近付いたある日、突然の帰国命令、大連ふ頭の収容所に集合した。
その時、出された食事、今なら犬も食わないであろう食事の美味さは忘れない。

ようやく父の故郷、天草に着いたのは2月の初めだった。

初めて食べる丸い餅、帰国の祝いの餅かと思ったがその日は旧暦の正月元旦であった。
それ以来、自分には奇跡が起こると信じて82才の正月を迎える。

帰国後は栄養失調の後遺症で一月以上、病床で過ごしたことを思い出す。

今はその父も妹二人も世を去り姉と二人残る。



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by tabibitohide | 2017-12-13 21:26 | Trackback | Comments(0)