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活字に飢えた時代


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人間、9才から14才頃の年代が人生一番の知識欲旺盛な時期です。

生まれ故郷を追われ落ち着いた大連の寄宿先では父が借りて来る「宮本武蔵」を読み始めたのが最初でした。

寄宿先の本棚の書籍は難解な物ばかり解らぬながら片端から読みました。

今でも記憶に残るのは厨川白村著「象牙の塔を出て」「近代の恋愛観」等々、小難しい書籍ばかりです。

不思議な事に読み進めば漢字の意味も解り始めます。

恐らく象形文字として理解し文章の流れで読み進める事が出来たのでしょう

読破後の最期の砦は百科事典です、全10巻ほどを何回、読んだか知れません。

引揚後も読書の習癖は治まらず戦死した叔父の書籍を読み尽くし、スペインの作家ビセンテ・ブラスコ・イパニェスの「血と砂」何度、読み返したか分かりません。

1908年の作で花形闘牛士フアンノ栄光と挫折、伯爵夫人との不倫の恋と妻カルメンとの愛憎の狭間で迎える最後、当時11才にはどこまで理解出来たやら・・

芥川・太宰・田中英光と憧憬の目で見た時期もありました。

長じて高校時代は「異邦人」「ペスト」を読みカミュの異才に驚愕 級友に「カミュはノーベル賞とるぞ」と喧伝するが返事は「そら誰や・・」でした。

原書で読みたいと思いながらフランス語を学ぶ機会も無くまもなく人生を終えます。

原書で読んだのは「チャタレー夫人の恋人」の冒頭部分のみでした。

何はともあれ小学高学年から中学生の時代は進路を決めるのではなく知識欲を満足させるのが身近な人間の責務と考える昨今です。



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by tabibitohide | 2017-07-11 21:36 | Trackback | Comments(0)